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ジョイスのユリシーズの原点

ジョイスのユリシーズの原点

ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」との関連性

 ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」は、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」と密接に関連しています。「ユリシーズ」は、主人公レオポルド・ブルームの一日を、オデュッセイアの主人公である英雄オデュッセウスの10年にわたる長い航海の物語に重ねて描いています。それぞれの章は、オデュッセイアのあるエピソードに対応し、登場人物、出来事、モチーフなどが巧妙に織り交ぜられています。

ダブリンという都市の描写

 ジョイスは、「ユリシーズ」を執筆するにあたり、故郷ダブリンの街並みや人々の生活を詳細に描写することにこだわりました。1904年6月16日という特定の一日を舞台に、ブルームの移動経路とともに、当時のダブリンの街並みや社会の様子が鮮やかに蘇ります。ジョイス自身のダブリンでの経験や観察が、作品にリアリティを与えています。

ジョイス自身の経験と内的世界

 「ユリシーズ」は、ホメロスの叙事詩やダブリンの街並みを背景としながらも、ジョイス自身の経験や内的世界が色濃く反映された作品でもあります。主人公ブルームの妻に対する愛憎入り混じった感情や、父親としての苦悩、アイデンティティの模索などは、ジョイス自身の葛藤と重なる部分が多く見られます。

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