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ジスモンディの政治経済学新原理の対極

## ジスモンディの政治経済学新原理の対極

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ジスモンディの批判の矛先

ジャン・シャルル・レオナール・シモンド・ド・シスモンディは、1819年に発表した著書 “Nouveaux Principes d’économie politique, ou de la richesse dans ses rapports avec la population” (政治経済学新原理、または人口との関係における富について) において、古典派経済学、特にその中心的な主張であった「セイの法則」や自由放任な資本主義の帰結であると彼が考えた貧困や不平等を鋭く批判しました。

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対極に位置する思想:古典派経済学

シスモンディの批判の矛先となった古典派経済学は、アダム・スミスを始祖とし、デヴィッド・リカードやトマス・マルサス、ジェームズ・ミルなどによって発展した経済学派です。彼らは、市場メカニズムの自己調整機能を重視し、政府の介入を最小限に抑えるべきだと主張しました。

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古典派経済学の代表的な著作:国富論

古典派経済学を代表する歴史的名著として、アダム・スミスの “An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations” (国富論) が挙げられます。1776年に出版されたこの書物は、経済学という学問分野を確立した記念碑的作品とされ、分業、自由貿易、市場の「見えざる手」といった概念を提唱し、古典派経済学の基礎を築きました。

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国富論における主要な主張

* **分業の利益**: スミスは、労働の分業が生産性を飛躍的に向上させると主張しました。彼はピン工場の例を挙げ、分業によって1人の労働者が1日に数十万本のピンを生産できるようになると説明しました。

* **自由貿易の重要性**: スミスは、国家間の自由貿易が、各国が得意とする産業に特化することを可能にし、世界全体の富を増大させると主張しました。彼は重商主義政策を批判し、自由貿易こそが経済成長の鍵であると説きました。

* **市場の「見えざる手」**: スミスは、個人が自身の利益を追求することで、結果として社会全体の利益にも繋がると考えました。彼はこれを「見えざる手」と表現し、市場メカニズムが資源配分や経済活動を効率的に調整すると説明しました。

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シスモンディとの対立点

シスモンディは、スミスをはじめとする古典派経済学者が描く楽観的な未来像に疑問を呈しました。彼は、自由競争が過剰生産と恐慌を引き起こし、労働者を貧困に陥れる可能性を指摘しました。また、市場メカニズムだけに頼っていては、富の不平等な分配や社会不安が生じると警告しました。

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対照的な経済思想の誕生

シスモンディの “政治経済学新原理” は、古典派経済学への根本的な批判として、その後の経済学説、特にマルクス経済学や福祉国家論に大きな影響を与えました。古典派経済学とシスモンディの思想は、経済における政府の役割や社会正義の実現方法について、全く異なる見解を示しており、その対立は現代の経済学においても重要な論点となっています。

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