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ジスモンディの政治経済学新原理の主題

ジスモンディの政治経済学新原理の主題

ジスモンディの批判の矛先:
「無制限な発展」という幻想

ジャン・シャルル・レオナール・シモンド・ド・シスモンディ、通称シスモンディは、19世紀初頭の経済学者であり、その主著『政治経済学新原理』は、当時の経済学の主流であった古典派経済学、特にアダム・スミスやジェームズ・ミル、そしてデヴィッド・リカードの思想に対する痛烈な批判として知られています。

富の増大と幸福の分離:
分配の不平等と消費不足への着目

シスモンディは、富の増大が必ずしも社会全体の幸福に繋がるとは限らないと主張しました。彼は、当時の産業革命がもたらした急激な経済成長の陰で、労働者階級の貧困や社会不安が増大している現状を目の当たりにし、古典派経済学が唱える自由放任主義的な政策に疑問を抱きました。

市場メカニズムへの懐疑:
政府による介入の必要性

シスモンディは、古典派経済学の中心概念である「見えざる手」が、現実には機能不全に陥る可能性を指摘し、政府による積極的な介入の必要性を訴えました。彼は、労働時間の規制や最低賃金の導入、社会保障制度の充実など、労働者階級の生活水準向上のための政策を提唱しました。

経済学における倫理の重視:
人間中心的な経済への転換

シスモンディは、古典派経済学が、人間を「経済人」として抽象化し、倫理や道徳を軽視している点を批判しました。彼は、経済学は、単に富の増大を目指すのではなく、人間の幸福を実現するための学問であるべきだと主張し、「人間中心の経済学」を構想しました。

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