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ジスモンディの政治経済学新原理と時間

## ジスモンディの政治経済学新原理と時間

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ジスモンディの時間概念

シスモンディは、古典派経済学が前提とする「均衡状態」への到達を無条件に是認せず、そこに至るまでの「時間」経過で生じる様々な現象に着目しました。彼は、経済現象を静的な均衡状態ではなく、動的な歴史過程として捉えることが重要だと考えました。

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経済活動における時間の非対称性

シスモンディは、生産と消費、あるいは富の分配といった経済活動において、「時間」が重要な役割を果たすと考えました。特に、生産には一定の時間が必要である一方、消費は瞬時に起こりうるという点に注目しました。

生産者は将来の需要を見越して生産活動を行う必要があり、需要の変動によって過剰生産や供給不足が発生する可能性があります。彼が重視したのは、この時間的なずれがもたらす経済的不均衡でした。

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労働と時間

シスモンディにとって労働は、単なる生産要素ではなく、人間の人格と尊厳に関わる重要なものでした。彼は、労働者が長時間労働を強いられることで、人間としての成長や自由な時間が奪われることを強く批判しました。

時間という観点から、労働者と資本家の間の力関係の不均衡を指摘したのが、シスモンディの労働論の特徴と言えるでしょう。

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技術革新と時間

シスモンディは、技術革新が必ずしも社会全体の幸福に繋がるとは限らないと考えました。機械化による生産性向上は、短期的には生産量の増加や価格の低下をもたらすかもしれませんが、同時に労働者の失業や賃金の低下を引き起こす可能性があると彼は指摘しました。

技術革新がもたらす社会への影響を、時間軸に沿って慎重に見極める必要性をシスモンディは説いたのです。

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