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ジスモンディの「政治経済学新原理」の秘密

## ジスモンディの「政治経済学新原理」の秘密

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ジスモンディの批判の矛先

ジャン・シャルル・レオナール・シモンド・ド・シスモンディは、1773年生まれのスイスの経済学者、歴史家です。1819年に出版された著書「政治経済学新原理、または富はいかに国民を幸福にするかについて」は、当時の経済学の主流であったアダム・スミスらの古典派経済学を批判し、大きな反響を呼びました。

シスモンディは、スミスの提唱した自由放任主義経済が、貧富の格差の拡大や恐慌の発生など、さまざまな社会問題を引き起こすと主張しました。彼は、富の増大ではなく、人々の幸福こそが経済学の目的であるべきだと考えました。

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過剰生産論と恐慌

シスモンディは、自由競争の下では、生産者は利潤を追求するために過剰に生産を行うようになり、それが市場の需要を上回ると、商品が売れ残り、価格が暴落する「過剰生産」の状態に陥ると指摘しました。

そして、この過剰生産が、恐慌の発生につながると論じました。生産調整機能が働かないまま生産が需要を上回り続けると、商品は売れ残り、企業は倒産し、失業者が街にあふれることになります。これが、シスモンディの考える恐慌のメカニズムです。

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国家による介入の必要性

シスモンディは、このような社会問題を解決するためには、国家による経済への介入が必要であると考えました。彼は、政府が労働時間や賃金の規制、社会保障制度の導入などを通じて、市場の暴走を抑え、人々の生活水準を向上させるべきだと主張しました。

彼の主張は、後のケインズ経済学にも影響を与えたと言われています。自由放任主義経済への批判、そして国家による積極的な経済政策の必要性を説いたシスモンディの思想は、現代社会においても重要な示唆を与えていると言えるでしょう。

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