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ジスモンディの「政治経済学新原理」の思考の枠組み

## ジスモンディの「政治経済学新原理」の思考の枠組み

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富の増加と幸福の関係に対する懐疑

ジスモンディは、アダム・スミスをはじめとする古典派経済学が前提としていた「富の増加=国民の幸福」という図式に疑問を呈しました。彼は、産業革命の進展による機械化や分業の深化が、労働者の貧困や失業を生み出し、社会不安を増大させているという現実を目の当たりにしました。そして、富の増加が一部の資本家の手に集中し、労働者を含む大多数の人々に幸福をもたらさない状況を厳しく批判しました。

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生産と消費のアンバランス

ジスモンディは、資本主義経済においては、生産の拡大が必ずしも消費の拡大に結びつかないことを指摘しました。彼は、労働者が生産した製品を十分に購入できるだけの購買力を持たなければ、生産過剰と経済危機が引き起こされると考えました。そして、この生産と消費のアンバランスこそが、資本主義経済における根本的な問題であると捉えました。

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政府による介入の必要性

ジスモンディは、自由放任主義に基づく市場メカニズムだけでは、社会全体の幸福を実現できないと考え、政府による積極的な介入の必要性を主張しました。具体的には、労働時間規制や最低賃金制度などによって労働者の生活水準を向上させるとともに、累進課税や社会保障制度を通じて富の再分配を図るべきだと論じました。

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小規模生産と農村共同体の重要性

ジスモンディは、大規模生産と都市化が社会不安や経済危機の原因になると考え、小規模生産と農村共同体の重要性を強調しました。彼は、小規模生産は労働者に自立と満足感を与えるとともに、地域経済の活性化にも貢献すると考えました。また、農村共同体は伝統的な価値観や相互扶助の精神を維持する上で重要であると捉えました。

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