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ジェームズの「宗教的経験の諸相」の思考の枠組み

## ジェームズの「宗教的経験の諸相」の思考の枠組み

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研究対象

ジェームズは、「宗教的経験の諸相」において、制度化された宗教や神学ではなく、**個人の宗教的経験**に焦点を当てています。彼は、宗教の根源が、神秘的な経験や内的生活における劇的な変化といった、個人の主観的な経験にあると考えたのです。

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方法論

ジェームズは、自身の経験に加え、聖者、神秘家、一般人の幅広い**一次資料**を用い、宗教的経験の多様性を示しました。彼は、宗教的経験を客観的に分析しようとするのではなく、**経験者の視点**を重視し、その記述をそのまま受け入れることを重視しました。

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宗教的経験の特徴

ジェームズは、宗教的経験に共通する以下の4つの特徴を挙げました。

* **非日常性 (Ineffability):** 言葉で表現できない、説明を超越した感覚
* **認識的価値 (Noetic quality):** 新しい真実や洞察を得た感覚
* **一時性 (Transiency):** 短時間で消えてしまう経験
* **受動性 (Passivity):** 個人の意志を超えた力に動かされる感覚

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宗教的経験の果実

ジェームズは、宗教的経験が個人にもたらす影響として、以下の点を挙げました。

* **人生に対する新たな視点**: 世界や自己に対する見方が根本的に変わる
* **幸福感と心の平安**: 深い喜びと安らぎ
* **倫理的な行動への動機づけ**: 利他主義や愛に基づいた行動への意欲の向上

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宗教的経験の真理性

ジェームズは、宗教的経験の客観的な真偽を断定することはできないと考えつつも、それが個人の人生に良い影響を与えるならば、**「実用的」な意味で真実**であると主張しました。

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