ジェイムズのプラグマティズムを読んだ後に読むべき本
リチャード・ローティ著 「偶然性・アイロニー・連帯」
ウィリアム・ジェイムズのプラグマティズムは、概念の意味はその実際的な効果にあると主張する、活気に満ち、物議を醸す哲学です。ジェイムズにとって、ある考えが「真実」であるかどうかは重要ではありません。重要なのは、それが私たちの生活の中でどのように機能するかということです。これは、哲学に対する爽快で実用的なアプローチですが、いくつかの難しい質問も提起します。たとえば、ある信念の「実際的な効果」をどのように判断するのでしょうか。また、「真実」を完全に放棄した場合、どのようにして自分たちの信念を正当化できるのでしょうか。
リチャード・ローティの「偶然性・アイロニー・連帯」は、これらの質問に取り組むための興味深く、物議を醸す方法を提供する、ジェイムズのプラグマティズムの自然な出発点です。ローティは、自分自身をプラグマティストであると見なしており、ジェイムズのように、彼は哲学に対する従来の概念に懐疑的です。ローティにとって、哲学は「真実」を発見するための試みではありません。なぜなら、そのようなものは存在しないからです。むしろ、哲学とは、私たちの世界に対する新しい、より興味深い、より有用な方法を生み出すための、「継続的な会話」です。
ローティはこの考えを、「偶然性・アイロニー・連帯」で展開し、3つの主要なアイデアを通じて展開しています。まず、ローティは、私たちが保持する信念や価値観を含む、私たちの人生におけるすべてのものは、本質的に偶然であると主張しています。つまり、それらは必然的な結果ではなく、一連の過去の状況によって決定されたものではありません。それらは単に、起こったことの産物です。
第二に、ローティは、私たちは自分の信念や価値観について「皮肉」であるべきだと主張しています。「皮肉」とは、それらの信念や価値観が偶然のものであること、つまり他の信念や価値観を持つこともできたかもしれないことを認識することを意味します。この認識は、私たち自身の確信に固執することを困難にするはずであり、異なる信念や価値観を持つ人々に対してよりオープンで寛容になることを可能にするはずです。
第三に、ローティは、私たちが自分たちの信念や価値観について皮肉屋であるにもかかわらず、他のすべての人々に対する「連帯」の感覚を発展させることができると主張しています。この連帯感は、共通の人間性に基づいており、共通の希望や恐怖、弱点に基づいています。ローティにとって、この連帯感は、私たちが世界で道徳的、政治的に行動することを可能にするものです。
「偶然性・アイロニー・連帯」は、挑戦的ですが、最終的にやりがいのある本です。それは、私たちが自分自身、私たちの信念、そしてお互いを考えるための新しい方法を提供してくれます。ローティの著作の熱心な読者になるか、彼のアイデアに根本的に反対するかに関わらず、この本は間違いなくあなたに挑戦し、あなたを考えさせ、そして最終的にはあなたをより良い思想家にするでしょう。それが偉大な哲学の目的ではありませんか？