ジェイムズのプラグマティズムの話法
**１．「プラグマティズム」という言葉の起源について
ジェイムズは、自著『プラグマティズム』の中で、「プラグマティズム」という言葉が初めて用いられたのは、1878年の冬、チャールズ・サンダース・パースの提案によるものであると述べています。パースは、この言葉を用いて、信念の意義はその実践的効果にあるという考えを表現しました。ジェイムズはパースの考え方に共鳴し、自らの哲学を「プラグマティズム」と名付けました。
**２．比喩や日常的な言葉の使用について
ジェイムズは、難解な哲学用語を避けるために、比喩や日常的な言葉を積極的に用いました。例えば、「プラグマティズム」を説明する際に、「現金価値」や「銀行預金」といった比喩を用いています。また、「意識の流れ」といった言葉も、ジェイムズが哲学用語として定着させたものです。
**３．読者との対話形式について
ジェイムズの著作は、読者への語りかけを意識した文体で書かれています。例えば、「皆さんもご存知のように」といった言葉遣いが頻繁に登場します。また、読者からの反論を想定し、それに対する反論を展開することも少なくありません。このような対話形式の文体は、読者に語りかけ、思考を促す効果があります。
**４．具体例を豊富に用いる方法について
ジェイムズは、抽象的な議論を展開するだけでなく、具体的な例を豊富に用いることで、読者の理解を助けることに努めました。例えば、「宗教的経験」について論じる際には、様々な宗教家の体験談を引用しています。また、「自由意志」について論じる際には、日常的な選択の場面を例に挙げながら説明しています。