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シュミットの政治的なものの概念に匹敵する本

シュミットの政治的なものの概念に匹敵する本

カール・シュミット「政治的なものの概念」

カール・シュミットの『政治的なものの概念』(1932年)は、20世紀の政治思想において最も影響力があり、物議を醸した本の1つです。この本の中でシュミットは、政治を道徳、経済、宗教などの他の領域から区別するものは、「友と敵」の区別であると主張しています。シュミットによれば、政治的な実体は究極的には、自分自身を他の集団から守り、必要であれば暴力によってでも自分自身の存在を主張する能力によって定義されるといいます。

シュミットの政治的なものの概念に匹敵する本

トーマス・ホッブズ「リヴァイアサン」

シュミットの「政治的なものの概念」と比較できる歴史的名著として、トーマス・ホッブズの『リヴァイアサン』(1651年)が挙げられます。ホッブズは、自然状態における人間の生活は「万人の万人に対する闘争」であり、そこでは恐怖と暴力が支配的であると主張しました。このような状況から逃れるために、個人は社会契約によって自然権の一部を放棄し、絶対的な主権者であるリヴァイアサンに服従することに同意するとホッブズは論じました。リヴァイアサンは秩序と安全を維持し、市民間の紛争を防ぐ絶対的な権力を持つとされます。

ホッブズとシュミットの作品はどちらも、政治を本質的に紛争と権力の行使によって特徴付けられるものとして捉えているという点で類似しています。両方の思想家は、政治秩序の基盤として道徳的または宗教的な価値観を重視することに懐疑的であり、代わりに個人や集団が自己利益に基づいて行動するという現実的な見方を強調しました。

マックス・ウェーバー「職業としての政治」

マックス・ウェーバーの「職業としての政治」(1919年)もまた、シュミットの思想と興味深い対比をなしています。ウェーバーは、国家をその領域内での物理的力の合法的な使用の独占として定義し、政治を権力のために、そして権力を通して闘争するものとして特徴付けました。ウェーバーは、倫理、責任、現実政治の間の緊張関係を探求し、政治指導者が理想主義と現実的な力の政治のバランスをとらなければならないジレンマを強調しました。

ウェーバーはシュミットほど「友と敵」の区別を強調していませんでしたが、政治における権力と暴力の役割についての彼の分析は、「政治的なものの概念」の重要な先駆と考えることができます。どちらの思想家も、政治の本質を理解するためには、理想主義的な概念ではなく、権力、紛争、秩序の現実的なダイナミクスに取り組まなければならないことを認識していました。

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