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シュペングラーの西洋の没落と人間

## シュペングラーの西洋の没落と人間

シュペングラーにおける文化と文明

シュペングラーは、歴史を単線的な進歩として捉えるのではなく、それぞれ独自の生命力を持つ複数の文化が興亡を繰り返す過程だと考えました。彼によれば、文化は誕生、成長、衰退、そして死という生物と同様のライフサイクルをたどります。そして、文化がその創造性を失い、物質主義や合理主義に傾倒していく最終段階を「文明」と呼びました。

西洋文化の没落

シュペングラーは、自身が生きていた時代を西洋文化が「文明」の段階に達し、没落が始まっている兆候だと捉えました。彼は、古代ローマの衰退と現代西洋文明の状況を重ね合わせ、巨大都市への人口集中、金銭崇拝、伝統的な価値観の衰退といった共通点を見出しました。

人間と文化

シュペングラーにとって、人間は特定の文化に根ざした存在であり、文化の運命と切り離して考えることはできません。彼は、文化が衰退するにつれて、そこに属する人間の精神もまた衰退していくと主張しました。

「ファウスト的」人間

シュペングラーは、西洋文化を特徴づける人間像として「ファウスト的」人間を挙げました。ゲーテの戯曲『ファウスト』の主人公にちなんで名付けられたこの人間像は、無限の知識と力を求め続ける、絶え間ない探求者です。シュペングラーは、ファウスト的人間の飽くなき探求心が、科学技術の発展や世界探検といった西洋文化の偉大な成果をもたらした一方で、それが行き過ぎた結果、精神的な空虚さやニヒリズムをもたらしたとも論じました。

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