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シュティルナーの唯一者とその所有の発想

シュティルナーの唯一者とその所有の発想

唯一者

マックス・シュティルナーは、19世紀のドイツの哲学者であり、その主著『唯一者とその所有』で、個人主義と虚無主義を極限まで推し進めたことで知られています。シュティルナーにとって、「唯一者」とは、既存のあらゆる概念、制度、イデオロギーから自由な、絶対的に固有な個人を指します。

シュティルナーは、人間は「自己」という固定的な本質を持たず、絶えず変化し続ける存在であると主張しました。そして、国家、社会、道徳、宗教といった既存のあらゆる枠組みは、個人の自由を束縛する「幽霊」に過ぎないと批判しました。

彼にとって、「唯一者」とは、これらの「幽霊」から解放され、自らの意志と欲望にしたがって生きる、真に自由な個人を意味します。

所有

「所有」は、シュティルナーの思想において重要な概念です。彼は、従来の所有の概念を、単なる物質的な所有だけでなく、個人が自らの力によって支配し、利用できるものすべてを含むように拡張しました。

シュティルナーにとって、「唯一者」は自らの「所有」を通じてのみ、真に自由になることができます。「唯一者」は、自らの身体、能力、思考、感情など、あらゆるものを「所有」し、それらを自らの意志にしたがって自由に使う権利を持つと考えました。

ただし、シュティルナーの言う「所有」は、他者を搾取したり、支配したりすることを正当化するものではありません。彼は、真の「所有」は、個人が自らの力と能力によってのみ達成されると考えていました。

シュティルナーの「所有」の概念は、物質的な所有だけでなく、個人の自由と自己実現をも包含する、より広範な概念として理解することができます。

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