## シャーマンの革新の政治経済学に匹敵する本
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「銃・病原菌・鉄」
– ジャレド・ダイアモンド –
この本は、人類史における文明の興隆と衰退を地理的要因から説明しています。具体的には、ユーラシア大陸が他の大陸よりも有利な条件を備えていたために、より早くから農業を発達させ、人口増加、技術革新、国家形成へと繋がっていったと主張しています。
ダイアモンドは、その論証の中で、以下のような要素を詳細に分析しています。
* **大陸の軸の方向と大きさ:** ユーラシア大陸は東西に長く、南北に短いのに対し、南北アメリカ大陸やアフリカ大陸は南北に長い。この違いが、気候や動植物の伝播に大きな影響を与えた。
* **家畜化可能な動植物の分布:** ユーラシア大陸には、家畜化に適した動植物が他の大陸よりも多く存在した。
* **病原菌の伝播:** 家畜との接触を通じて、ユーラシア大陸の人々は様々な病原菌に対する免疫を獲得した。これは、後に他の大陸の人々と接触した際に、大きなアドバンテージとなった。
「銃・病原菌・鉄」は、従来の人種や文化に基づく文明論を覆し、地理的要因の重要性を改めて認識させた点で、画期的な著作と言えるでしょう。出版以来、世界中で翻訳され、多くの読者に影響を与えてきました。