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シジウィックの倫理学の方法の関連著作

シジウィックの倫理学の方法の関連著作

ヘンリー・シジウィックの倫理学の方法と関連する歴史的名著

ヘンリー・シジウィック(1838-1900)は、イギリスの功利主義哲学者であり、「倫理学の方法」(The Methods of Ethics)は彼の倫理思想の集大成とされています。この著作は、19世紀のイギリス道徳哲学、特に功利主義の伝統の中で重要な位置を占めています。以下に、シジウィックの倫理学の方法と関連する歴史的名著をいくつか紹介します。

ジェレミー・ベンサム『道徳論と立法の諸原理序説』

ベンサムは、快楽と苦痛を人間の行動の二つの支配者とみなし、最大多数の最大幸福を倫理の原則としました。シジウィックはベンサムの功利主義を継承しつつも、その方法と結論に批判を加えています。シジウィックは、ベンサムの快楽計算が主観的で恣意的になりうることを指摘し、より客観的な倫理基準を求めました。

ジョン・スチュアート・ミル『功利主義』

ミルは、ベンサムの功利主義を洗練させ、質的に異なる快楽を区別することの重要性を強調しました。また、個人の自由を重視し、功利主義が個人の権利を侵害する可能性を批判しました。シジウィックは、ミルの質的功利主義にも問題点があるとし、快楽の質を客観的に測定することは難しいと指摘しました。

イマヌエル・カント『道徳形而上学の基礎づけ』

カントは、人間の理性に基づいた普遍的な道徳法則を提唱しました。彼は、行為の善悪は結果ではなく、行為者の意図によって決まると主張し、「義務のために義務を果たせ」という定言命法を提唱しました。シジウィックは、カントの義務論を批判的に検討し、義務の概念が直観的に自明ではなく、功利主義的な正当化が必要であると主張しました。

デイヴィッド・ヒューム『人性論』

ヒュームは、道徳は理性ではなく、感情に基づくと主張しました。彼は、道徳判断は、共感や同情といった感情によって動機づけられると論じました。シジウィックは、ヒュームの感情主義を部分的に認めつつも、道徳判断には客観的な基準が必要であると主張しました。

これらの著作は、シジウィックの倫理学の方法を理解する上で重要な背景を提供しています。シジウィックは、これらの先駆的な思想を批判的に検討し、独自の倫理体系を構築しようと試みました。彼の著作は、現代の倫理学にも影響を与え続けています。

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