## シェリングの人間的自由の本質の思考の枠組み
###
自由と理性
シェリングにとって、人間の自由は単なる行為の選択可能性や外部からの強制の不在といった消極的なものではありません。彼は、理性に基づいた自己決定こそが真の自由であると考えました。シェリングは、人間の本質を理性的な存在であると捉え、理性に従って行為することこそが自己実現、ひいては真の自由を獲得することに繋がるとしました。
###
二つの根源
シェリングは、人間の内に自由を阻害する根本的な要因が存在すると考えました。それは「意識」と「衝動」という二つの根源です。「意識」は、自己を客体化し、過去の経験や社会的な規範といった外部からの影響を受けやすい状態を指します。一方、「衝動」は、理性的な制御を超えた、本能的で無意識的な欲求や情動を意味します。
###
自由への道
シェリングは、「意識」と「衝動」の二つの根源が人間の自由を阻害する一方で、その克服を通して真の自由に至ることができると考えました。彼は、理性的な自己意識を高め、「意識」を克服することで、外部からの影響を受けずに自律的な判断が可能になるとしました。また、「衝動」に対しては、理性によって制御し、より高次な精神活動へと昇華させることができると考えました。