## シェイクスピアの恋の骨折り損の表現
言葉遊びと機知に富んだ会話
「恋の骨折り損」は、登場人物たちの機知に富んだ言葉遊びや洒落、韻律を駆使した会話によって特徴付けられます。特に、貴族であるナヴァール王と３人の従者は、洗練された言葉遣いを競い合い、知的なユーモアを交えながら会話を展開します。
例えば、第1幕1場で、ナヴァール王が禁欲的な生活を宣言する際も、”form” や “fashion” などの言葉を巧みに用いて、単なる誓約ではなく、一種の様式美として表現しています。 また、言葉遊びは、恋愛感情の高まりや、登場人物たちの滑稽さを強調する効果も持っています。 例えば、ベロナーとロザラインのやり取りでは、”horn” (角笛) と “hour” (時間) を掛けた洒落によって、ベロナーの抑えきれない恋心がユーモラスに表現されています。
登場人物の対比
「恋の骨折り損」には、対照的な性格の登場人物たちが登場し、彼らの言葉遣いもその個性を反映しています。知性と教養を重視するナヴァール王と３人の従者に対し、フランス王女とその侍女たちは、より自然体で率直な物言いをします。
例えば、王と従者たちは、恋文を送る際にも、古典的な詩の形式や修辞法を用いて、技巧を凝らした文章を作成します。一方、王女たちは、より率直で感情的な言葉で手紙をしたためます。 このような対比は、男性と女性、理性と感情、宮廷社会と自然といった、様々なテーマを浮かび上がらせる効果があります。