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シェイクスピアの十二夜の発想

シェイクスピアの十二夜の発想

登場人物と設定

「十二夜」の登場人物と基本設定は、イタリアの作家、マッテオ・バンデッロの1531年の戯曲「Gl’ingannati(騙された者たち)」に由来することが知られています。この作品では、双子の兄妹が船の難破で生き別れ、妹が男装して兄を探しに出かけるところから物語が始まります。シェイクスピアは、このプロットを基に、双子の兄妹、勘違いによる恋の騒動、陽気な祝祭の雰囲気など、多くの要素を自身の作品に取り入れています。

祝祭「十二夜」

劇のタイトルにもなっている「十二夜」は、クリスマスの12日後、1月6日に祝われるキリスト教の祭日です。この夜は、クリスマスシーズンの終わりを告げると同時に、伝統的に仮装や宴会、無礼講を楽しむ日とされていました。シェイクスピアは、劇中で登場人物たちに様々な扮装をさせたり、騒動を繰り広げさせたりすることで、この祝祭の持つ自由奔放で陽気な雰囲気を表現しています。

他の影響

「十二夜」には、当時のイングランドで流行していたイタリアの喜劇「コンメディア・デラルテ」の影響も色濃く見られます。例えば、道化師のフェステや、尊大な執事マルヴォーリオといった登場人物は、コンメディア・デラルテの伝統的なキャラクター類型を踏襲したものです。彼らのコミカルなやり取りは、劇全体に軽快さと笑いを添えています。

エリザベス朝時代の宮廷

「十二夜」の舞台は、イリュリアという架空の国ですが、劇中にはエリザベス朝時代のイングランド宮廷を彷彿とさせる要素が随所に見られます。例えば、オーシーノ公爵の宮廷における恋愛沙汰や権力闘争、貴族たちの間での複雑な人間関係などは、当時の宮廷社会を反映したものと解釈することができます。

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