## シェイクスピアの十二夜の原点
シェイクスピアの主要な着想源
「十二夜」の筋書きは、シェイクスピアが完全にオリジナルで作り上げたものではありません。
いくつかの先行作品、特にイタリアの作家、イングランドの翻訳などから着想を得たと考えられています。
その中でも主要なものは以下の2つです。
1. インゲムの『誤解』
イングランドの劇作家、ジョン・イングランドが1583年に執筆した『誤解』(原題:The Menaechmi)は、双子の男女が船の難破で生き別れ、その後再会するまでの一連の騒動を描いた喜劇です。
「十二夜」と同様に、瓜二つの容姿を持つ双子が巻き起こす誤解や騒動が物語の中心となっています。
2. リッチの『アポロニアとシーラ』
バーナビー・リッチによる1581年の作品、『アポロニアとシーラ』(原題:Apolonius and Silla)は、イングランドの物語集『Farewell to Military Profession』に収録されています。
この物語は、船の難破で生き別れになった双子の兄妹が、数年後に再会を果たすものの、お互いを認識できないという展開で、これも「十二夜」の重要な着想源とされています。
その他
これらの主要な作品以外にも、「十二夜」の創作に影響を与えた可能性のある作品がいくつか挙げられます。
– イタリアの劇作家、ニッコロ・セッキによる『The Ingannati』(1531年)
– プラウトゥスの『アンフィトリュオン』
– シェイクスピア自身の作品である『間違いの喜劇』
これらの作品は、いずれも「誤解」や「入れ替わり」をテーマとしており、「十二夜」の登場人物やプロットに影響を与えた可能性があります。