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シェイクスピアの冬物語の関連著作

シェイクスピアの冬物語の関連著作

サミュエル・テイラー・コールリッジによるシェイクスピア講義録 (1811-1812)

コールリッジは、イギリスのロマン派詩人であり、批評家でもあります。「文学講義」の中で「冬物語」を考察し、特に劇の時間構成や写実性の欠如について論じています。コールリッジは、劇中の時間の経過の不自然さを指摘し、シェイクスピアが意図的に非現実的な時間構成を用いていると主張しました。これは、観客が劇の世界に没頭し、登場人物たちの感情に共感することを促すための手法であると彼は解釈しています。

エドマンド・ケマル・ブルックスによるシェイクスピアのロマンス劇 (1966)

ブルックスは、20世紀を代表するシェイクスピア学者の一人です。彼の著書「シェイクスピアのロマンス劇」の中で、「冬物語」は「ペルークリーズ」、「シンベリン」、「テンペスト」といった他の後期作品と併せて、ロマンス劇というジャンルに分類されます。ブルックスは、これらの作品に共通するテーマとして、喪失と回復、赦し、再生などを挙げています。「冬物語」においては、レオンテスの狂気じみた嫉妬によって失われた家族の絆が、最終的にペルディタの発見と王妃ハーミオーンの「復活」によって奇跡的に回復される点が、ロマンス劇の特徴をよく表しているとブルックスは論じています。

ノースロップ・フライによる「人間の循環」:シェイクスピア喜劇の構造研究 (1957)

フライは、カナダ出身の文芸批評家で、アーキタイプ批評の提唱者として知られています。「人間の循環」の中で、フライは「冬物語」をシェイクスピアの他の喜劇作品と比較しながら、その構造を分析しています。彼は、「冬物語」は伝統的な喜劇の構造から逸脱しており、悲劇的な要素を多く含んでいると指摘します。しかし、最終的には和解と再生がもたらされるという点で、やはり喜劇に分類できるとフライは結論づけています。

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