## シェイクスピアの冬物語の構成
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場所と時間の推移
『冬物語』は大きく分けて二つの場所に舞台を移し物語が展開します。
* **シチリア**: 物語の最初の舞台となるのはシチリアの宮廷です。レオンテスの嫉妬、ハーマイオニーの裁判、パーディタの遺棄といった悲劇的な出来事が起こります。
* **ボヘミア**: 物語の中盤から舞台はボヘミアへと移ります。そこでは、羊飼いに育てられたパーディタとボヘミアの王子フロリゼルの恋物語が展開されます。
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時間経過の不均衡性
『冬物語』の特徴的な点として、時間経過に不均衡が見られます。
* **シチリア**: 物語の前半、シチリアにおける出来事は数ヶ月の間に凝縮して描かれています。
* **ボヘミア**: 一方、物語後半のボヘミアでは、16年の歳月が経過します。
この時間経過の不均衡性により、前半の悲劇的な雰囲気から後半の再生と和解のムードへの劇的な転換が強調されています。
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五幕構成と転換点
『冬物語』はシェイクスピアの作品に多く見られる五幕構成を取っています。
* **第一幕から第三幕**: シチリアを舞台に、レオンテスの嫉妬から始まる悲劇が描かれます。第三幕終盤で、赤ん坊のパーディタが遺棄されるところで物語は転換点を迎えます。
* **第四幕**: 舞台はボヘミアに移り、16年の時が経過します。羊飼いに育てられたパーディタと、身分を隠したフロリゼルとの恋が描かれます。
* **第五幕**: 再び舞台はシチリアに戻り、登場人物たちが再会を果たし、和解へと向かいます。
このように、『冬物語』は場所と時間軸を巧みに操ることで、悲劇から再生、そして和解へと続くドラマティックな物語を展開しています。