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シェイクスピアの冬物語の対称性

## シェイクスピアの冬物語の対称性

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時間の対称性

「冬物語」では、第3幕第3場を境に、16年の歳月が流れ、舞台もシチリアからボヘミアへと移ります。この前半と後半の時間経過は、あたかも冬から春へと季節が移り変わるように対照的です。前半は、レオント化するの狂気と嫉妬に支配された冬のような閉塞感に満ちた世界が描かれます。一方、後半は、ペルダーやフローリゼル、パーディタといった若い世代の恋愛を中心に、希望に満ちた春のような世界が展開されます。

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舞台の対称性

前半の舞台であるシチリアは、閉鎖的で厳格な宮廷社会を象徴しています。一方、後半の舞台となるボヘミアは、牧歌的で自由な雰囲気が漂う田園地帯です。この対照的な舞台設定は、それぞれの場面で展開される人間模様と密接に関係しています。シチリアでは、疑心暗鬼や権力闘争が渦巻く一方で、ボヘミアでは、身分や社会的なしがらみを離れて、純粋な愛や友情が育まれます。

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登場人物の対称性

「冬物語」には、対照的な性格や運命を持つ登場人物が多く登場します。例えば、レオントとフローリゼルは、どちらも王家の息子ですが、レオントは嫉妬と怒りに駆られて悲劇を招く一方で、フローリゼルは愛と寛容さによって希望をもたらします。また、パーディタとマミリアスは、どちらも幼い頃に親と引き離されるという共通点がありますが、パーディタはたくましく成長して再会を果たす一方、マミリアスはレオントの狂気によって命を落としてしまいます。このように、登場人物たちの対比構造が、物語に深みと奥行きを与えています。

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