## シェイクスピアの二人のいとこの貴公子を読む
戯曲の作者について
1613年に出版された「二人のいとこの貴公子」は、タイトルページに「ウィリアム・シェイクスピアとジョン・フレッチャーの合作」と記されています。この記述から、一般的にはシェイクスピアとジョン・フレッチャーの共作劇だと考えられています。
戯曲の成立と上演記録
1613年の出版が初出であり、それ以前の上演記録は残っていません。そのため、具体的な上演時期や上演回数については不明な点が多い作品です。
戯曲のあらすじ
シチリア王位継承者である二人の若者、パラモンとアーサイトが、アマゾンの女王ヒポリタに恋をするところから物語が始まります。しかし、ヒポリタはすでにアテネ公爵シーシアスと結婚することが決まっています。パラモンとアーサイトは、ヒポリタへの愛をめぐって対立し、決闘を行います。シーシアスは二人の決闘を止め、敗者には死刑を、勝者にはヒポリタへの求婚権を与えるという条件で、改めて決闘をさせることを決めます。
戯曲の特徴
「二人のいとこ」というタイトルの通り、パラモンとアーサイトは親戚同士という設定です。二人の若者は、騎士道精神にあふれながらも、ヒポリタへの激しい恋心ゆえに葛藤します。作品は、愛と友情、名誉と欲望の間で揺れ動く人間の姿を描き出しています。
研究上の論点
* どの部分がシェイクスピア、どの部分がフレッチャーによって書かれたのか、 authorship (作者の特定)に関する議論が盛んに行われています。
* 戯曲の構成や登場人物の造形、言語表現などから、それぞれの作家の特徴を見出そうとする試みが続けられています。
* 他のシェイクスピア作品との比較研究も重要なテーマです。
これらの情報が、「二人のいとこの貴公子」を読む上での一助となれば幸いです。