## シェイクスピアの二人のいとこの貴公子の案内
「二人のいとこの貴公子」の概要
「二人のいとこの貴公子」は、1613 年に出版された戯曲で、ウィリアム・シェイクスピアとジョン・フレッチャーの共作とされています。この作品は、フランシス・ボモントとジョン・フレッチャーの1612年の戯曲「愛する人の忠誠」を部分的に原案としています。
登場人物
* **パラモン**と**アーサイト**: シシリアの王シーシアスの甥で、テーベの捕虜となり、アマゾンの女王ヒポリタに仕えています。二人はいとこ同士でありながら、同じ女性エミーリアに恋をしてしまいます。
* **エミーリア**: ヒポリタの妹で、パラモンとアーサイトの二人から求愛されます。
* **シーシアス**: アテネの公爵であり、ヒポリタの夫です。
* **ヒポリタ**: アマゾンの女王であり、シーシアスの妻です。
* **ジェーラーの娘**: パラモンに恋をし、彼の脱獄を助けますが、後に狂気に陥ります。
あらすじ
物語は、テーベを征服したアテネのシーシアス公爵の凱旋から始まります。捕虜となったパラモンとアーサイトは、ヒポリタの庭でエミーリアを見かけ、たちまち恋に落ちます。しかし、二人は捕虜である身の上、ましてやいとこ同士であることから、その恋は叶わぬものとして諦めようとします。
アーサイトは釈放されますが、エミーリアへの想いを捨てきれず、身分を隠してアテネに戻ってきます。一方、パラモンはジェーラーの娘に助けられ、脱獄に成功します。二人は再会し、エミーリアを巡って決闘しますが、シーシアス公爵に見つかってしまいます。
シーシアス公爵は、二人の決闘を止めさせ、改めて正式な場で決闘を行うことを命じます。決闘の結果、アーサイトは勝利しますが、戦いの最中に負った傷が元で命を落とします。アーサイトは死の間際、パラモンとエミーリアの結婚を望み、物語は幕を閉じます。
特徴
「二人のいとこの貴公子」は、騎士道物語、ロマンス、悲劇の要素が融合した作品です。シェイクスピアの作品の中でも、特に舞台演出が重視されていると言われています。
作者
「二人のいとこの貴公子」は、1634年の刊本で、ウィリアム・シェイクスピアとジョン・フレッチャーの共作とされています。しかし、現代の学者の中には、シェイクスピア以外の作者の存在を指摘する声もあります。
その他
「二人のいとこ貴公子」は、ジェフリー・チョーサーの「カンタベリー物語」の一編である「騎士の話」を基にしています。