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シェイクスピアのヴェローナの二紳士の対称性

## シェイクスピアのヴェローナの二紳士の対称性

プロテュースとヴァレンタインの対比

劇の二人の主人公、プロテュースとヴァレンタインは、多くの点で対照的な性格として描かれています。ヴァレンタインは恋愛に熱中しやすいロマンチストとして描かれ、ミラノ公爵の娘シルヴィアに恋焦がれています。一方プロテュースは、物語の冒頭ではジュリアに誠実な愛を誓うものの、後にミラノでシルヴィアに一目惚れし、あっさりと心変わりしてしまいます。

このプロテュースの裏切りは、二人の対称性を際立たせる重要な要素となっています。ヴァレンタインが終始一貫してシルヴィアへの愛を貫き通すのに対し、プロテュースは友情と愛情の間で揺れ動き、最終的には自分の欲望に負けてしまいます。

ジュリアとシルヴィアの対比

ヒロインであるジュリアとシルヴィアもまた、対照的な存在として描かれています。ジュリアは、プロテュースの裏切りに深く傷つきながらも、彼への愛を諦めきれない純粋な女性です。一方シルヴィアは、ヴァレンタインの愛を受け入れながらも、父の決定に逆らうことをためらうなど、より現実的な側面を持っています。

また、ジュリアは男装してプロテュースに近づき、彼の信頼を得ようとします。これは、男性中心の社会において、女性が自分の意志を貫くためには、男性的役割を演じる必要があったことを示唆しています。一方シルヴィアは、父や他の男性に自分の意思を押し付けられることなく、最終的には自分の意志でヴァレンタインを選びます。

その他に見られる対称性

上記の主要人物たちの対比以外にも、劇中にはいくつかの対称性を見出すことができます。例えば、ヴェローナの牧歌的な雰囲気とミラノの宮廷社会の対比、また、道化役であるランスとスピードの対比などが挙げられます。

これらの対称性は、登場人物たちの関係性や、物語のテーマをより深く理解するために重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

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