## シェイクスピアのマクベスを面白く読む方法
マクベスを読む前に:時代背景とシェイクスピアの世界観を知る
マクベスをより楽しむためには、作品が書かれた時代背景やシェイクスピアの演劇の特徴を知ることが重要です。マクベスは1606年頃に書かれたとされ、イングランドではジェームズ1世が即位したばかりの時代でした。ジェームズ1世はスコットランド王ジェームズ6世でもあり、マクベスの物語はスコットランドを舞台にした史実(ただし脚色も多い)を基にしています。当時の観客にとって、マクベスは身近な歴史と重ね合わせて観劇できる作品だったのです。
また、シェイクスピアの演劇は、登場人物の喜怒哀楽を詩的な言葉で表現する点が特徴です。韻律や比喩表現を味わいつつ、登場人物たちの心の動きを想像しながら読み進めてみましょう。
登場人物の視点に立って、共感と考察を深める
マクベスには、野心、欲望、罪悪感、狂気など、人間の心の奥底にある複雑な感情が描かれています。登場人物一人ひとりの視点に立って、彼らの行動や心情を深く考察することで、作品への理解を深めることができます。
例えば、主人公マクベスは、魔女の予言を信じ、王座への野心に突き動かされていきます。彼の行動は許されるものではありませんが、同時に、権力への誘惑や葛藤、罪悪感に苦しむ姿からは、人間の本質を垣間見ることができます。
また、マクベスの妻レディ・マクベスは、夫を唆して王殺しへと導く、冷酷で野心的な女性として描かれます。しかし、彼女もまた、罪悪感に苛まれ、精神的に追い詰められていくのです。
このように、登場人物の行動や心情を深く読み解くことで、作品に込められた普遍的なテーマが見えてきます。
劇的な展開を楽しむ:舞台を想像しながら読む
マクベスは、シェイクスピアの作品の中でも特に劇的な展開が多い作品として知られています。魔女の予言、王殺し、亡霊の出現、復讐劇など、息もつかせぬ展開が続きます。
文章を読む際には、頭の中で舞台を想像し、登場人物たちの動きや表情、声色を思い描きながら読み進めてみましょう。舞台装置や照明、音楽などを想像してみるのも良いでしょう。臨場感を味わうことで、より作品にのめり込むことができます。
名台詞の美しさを味わう:言葉の力に感動する
マクベスには、「人生は、影法師の如し」「明日のことも、明日になればわかること」「血は血を呼ぶ」など、数々の名台詞が登場します。これらの台詞は、単に美しいだけでなく、深い意味や哲学を含んでいます。
名台詞を味わう際には、その言葉がどのような状況で、誰に対して、どのような感情で発せられたのかに注目しましょう。そして、言葉の持つ力強さや美しさを感じ取ってください。