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シェイクスピアのマクベスに関連する歴史上の事件

## シェイクスピアのマクベスに関連する歴史上の事件

ジェームズ1世と「真の継承者」の神話

「マクベス」は、1606年頃に書かれたとされ、スコットランドの王マクベスを題材としています。この劇は、スコットランド王ジェームズ1世がイングランドの王位に就いてから間もなく書かれ、上演されました。ジェームズ1世は、スコットランド女王メアリー1世の息子であり、エリザベス1世のいとこにあたります。エリザベス1世が後継者を指名することなく亡くなったため、ジェームズ1世がイングランドの王位を継承したのです。

ジェームズ1世は、自らを「真の継承者」とみなし、自身の王権は神によって与えられたと信じていました。シェイクスピアは、「マクベス」の中で、この「真の継承者」の神話を巧みに利用しています。劇中では、魔女たちがバンクォーに対して、「汝の子孫は王となるであろう」と予言します。これは、ジェームズ1世の先祖とされるバンクォーを通じて、ジェームズ1世の王位継承の正当性を強調する効果がありました。

火薬陰謀事件(ガンパウダー・プロット)

1605年、イングランドでは、カトリック教徒による国家転覆計画である「火薬陰謀事件」が企てられました。この計画は、国会開会日に国王と議員たちを爆殺しようとするものでしたが、事前に発覚し、未遂に終わりました。「マクベス」には、反逆、暗殺、権力争いといった、火薬陰謀事件を想起させる要素が多数含まれています。

例えば、マクベスがダンカン王を暗殺する場面は、火薬陰謀事件を彷彿とさせます。また、劇中に登場する魔女たちは、当時のイングランド社会でカトリック教徒と結びつけられていた「悪」や「超自然的な力」を象徴しているとも考えられています。

スコットランドの歴史と伝説

シェイクスピアは、「マクベス」の題材をスコットランドの歴史書から得ていますが、歴史的な事実を忠実に再現しているわけではありません。シェイクスピアは、劇的な効果を高めるために、歴史的な出来事を脚色したり、登場人物の性格を誇張したりしています。

例えば、歴史上のマクベスは、10年以上もの間、比較的安定した統治を行っていましたが、劇中のマクベスは、野心に取り憑かれた暴君として描かれています。このように、シェイクスピアは、歴史とフィクションを巧みに織り交ぜることで、「マクベス」をより魅力的な作品に仕上げています。

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