## シェイクスピアのペリクリーズの感性
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ロマンス
『ペリクリーズ』はロマンス劇に分類されます。ロマンス劇は、シェイクスピアの晩年に多く書かれたジャンルであり、悲劇的な要素を含みながらも、最終的には主人公が幸福になるという特徴があります。 本作も、主人公ペリクリーズが数々の苦難を乗り越え、最終的には失われた家族と再会し、幸せな結末を迎えます。
ロマンス劇の特徴として、魔法や超自然的な要素、冒険、再会などが挙げられます。『ペリクリーズ』にも、嵐による難破、海賊の襲撃、娘との再会など、波乱万丈な展開が見られます。 また、女神ダイアナの登場や、ペリクリーズの娘マリーナが奇跡的に命を取り留める場面など、超自然的な要素も含まれています。
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贖罪と赦し
『ペリクリーズ』では、贖罪と赦しが重要なテーマとなっています。主人公ペリクリーズは、劇中で多くの過ちを犯します。例えば、アンティオカス王の秘密を知ってしまい、命の危険を感じて故郷を捨てたり、絶望のあまり娘のマリーナを他人任せにしたりします。
しかし、ペリクリーズは長い年月を経て、自身の過ちを悔い改めようとします。そして、最終的には家族との再会を果たし、赦しを得ます。 このように、『ペリクリーズ』は、人が過ちを犯しても、そこから学び、成長し、赦しを得ることができるという希望を描いています。
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運命と摂理
『ペリクリーズ』では、運命と摂理も重要な要素として描かれています。ペリクリーズは、航海の途中で嵐に遭い、海賊に襲われ、娘と妻を失うなど、数々の不幸に見舞われます。これらの出来事は、ペリクリーズ自身の行動が原因となっているものもありますが、多くは運命のいたずらとも言うべき不運によって引き起こされます。
しかし、最終的にはペリクリーズは失われた家族と再会し、幸せな結末を迎えます。これは、ペリクリーズ自身の努力もさることながら、運命のいたずらによって引き裂かれた家族を再び結びつけようとする、ある種の摂理が働いた結果とも解釈できます。