## シェイクスピアのヘンリー四世 第二部の感性
パート1からの憂鬱の持ち越し
「ヘンリー四世 第二部」は、その前編である「ヘンリー四世 第一部」の祝祭的な雰囲気とは異なり、より一層暗く、メランコリックなトーンで彩られています。この憂鬱な空気は、前作のクライマックスであるシュルーズベリーの戦いで多くの命が失われたことに起因する部分も大きいでしょう。しかし、それ以上に、イングランドとその王であるヘンリー四世の未来に対する不安感が作品全体に影を落としています。
老いと死の影
ヘンリー四世自身、病に蝕まれ、自身の死期が近いことを悟り始めています。彼の肉体的、精神的な衰えは、王としての責任と、息子であるハル王子(後のヘンリー五世)の放蕩ぶりに対する不安と相まって、彼の心を深く苦しめます。
秩序と無秩序の対比
劇中では、ヘンリー四世の宮廷と、フォルスタッフが frequent する居酒屋という対照的な二つの世界が描かれます。宮廷は、秩序と権威を象徴する場所ですが、そこには陰謀や裏切りが渦巻いています。一方、居酒屋は、無秩序で混沌とした世界ですが、そこには偽りない人間関係やユーモアが存在します。
フォルスタッフの複雑な人物像
「ヘンリー四世 第二部」においても、フォルスタッフは魅力的で複雑な人物として描かれています。彼は、嘘つきで、怠け者で、自己中心的でありながら、同時に機知に富み、人間味あふれる人物でもあります。彼の存在は、劇に笑いとペーソスの両方を提供し、人生の光と影を浮き彫りにします。
正義と慈悲の葛藤
劇の終盤、ハル王子は王位を継ぎ、ヘンリー五世となります。彼は、フォルスタッフとの過去の関係を断ち切り、正義を優先して彼を追放します。この場面は、個人的な感情と公的な責任との間で揺れ動く人間の姿を描き、観客に複雑な感情を抱かせます。