シェイクスピアのヘンリー四世 第一部の原点
史実
「ヘンリー四世 第一部」は、1398年から1403年にかけてのイングランド王ヘンリー四世の治世と、1402年のシュルーズベリーの戦いを中心に描かれています。登場人物の多く、特にヘンリー四世(劇中ではボリングブルックとして言及されることが多い)、ヘンリー王子(後のヘンリー五世)、ホットスパー(ヘンリー・パーシー)などは実在の人物です。
先行作品
シェイクスピアは、「ヘンリー四世 第一部」の執筆にあたり、過去の戯曲をいくつか参考にしています。最も有名なものは、「The Famous Victories of Henry the Fifth」という、ヘンリー五世の治世を、ユーモアを交えて、しかし歴史的にあまり正確ではない形で描いた作品でしょう。また、サミュエル・ダニエルの叙事詩「The First Fowre Bookes of the ciuile wars betweene the two houses of Lancaster and Yorke」からも影響を受けていると考えられます。
史劇としての背景
「ヘンリー四世 第一部」は、エリザベス朝時代に流行した史劇の一つであり、エリザベス朝時代の人々にとって歴史、特にイングランド君主制の歴史には非常に興味深いものがありました。シェイクスピアの戯曲は、当時の観客に、支配、反乱、王としての責任というテーマについて、共感を呼び起こす考察を提供しました。