シェイクスピアのテンペストの名前
「テンペスト」
「テンペスト」は、日本語で「嵐」や「暴風雨」を意味します。物語の冒頭で、プロスペローの魔法によって引き起こされる嵐が、登場人物たちを孤島に漂着させます。この嵐は、プロスペローの復讐劇の幕開けであると同時に、登場人物たちの運命を大きく揺るがす象徴的な出来事です。
プロスペロー
ラテン語で「繁栄する者」を意味します。かつてミラノ公爵であったプロスペローは、弟アントーニオの策略によって公国を追われ、娘のミランダと共に孤島に漂着しました。彼は魔法を操り、精霊エアリアルを従えて復讐を果たそうとします。彼の名前は、彼が最終的に復讐を達成し、失われた地位と権力を取り戻すことを暗示しているとも考えられます。
ミランダ
ラテン語で「賞賛すべき」「驚くべき」を意味します。プロスペローの娘であるミランダは、12歳の時に孤島に漂着して以来、外界と接触することなく育ちました。純粋で無垢な彼女は、漂着したフェルディナンド王子に恋心を抱きます。彼女の名前は、その純粋さや美しさを表すと同時に、外界から隔絶された環境で育った彼女にとって、初めて目にする人間社会や男性に対する驚きを表しているとも考えられます。
エアリアル
ラテン語で「空気」「大気」を意味します。プロスペローに仕える空気の精霊であるエアリアルは、主人であるプロスペローの命令に従い、魔法を使って様々な出来事を起こします。彼は自由を強く望んでおり、その対価としてプロスペローに仕えています。
キャリバン
その名前は、英語の「cannibal(人食い人種)」を連想させます。この島の先住民であるキャリバンは、醜悪な姿と粗野な言動で描かれ、プロスペローに奴隷として扱われています。彼はプロスペローに対して強い憎しみを抱き、復讐を試みます。彼の名前は、当時のヨーロッパ社会における未開の地や人々に対する偏見や差別を反映していると考えられています。
フェルディナンド
ナポリ王の息子であるフェルディナンドは、嵐によって他の船員たちとはぐれて、たった一人で島に漂着します。そこでミランダと出会い、恋に落ちます。