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シェイクスピアのテンペストに関連する歴史上の事件

## シェイクスピアのテンペストに関連する歴史上の事件

バミューダ諸島への入植と難破船

「テンペスト」の創作に影響を与えたと考えられる歴史的出来事の一つに、1609年にバミューダ諸島で起きた難破船事件があります。当時、イギリスからバージニア植民地に向かっていた「シー ベンチャー号」が嵐に遭い、バミューダ諸島に座礁しました。乗組員は全員無事でしたが、この無人島で10ヶ月近くも生活することになったのです。

この事件は、当時イギリスで大きな話題となり、ウィリアム・ストラチーの手記「バミューダ諸島における嵐の顛末記」として出版されました。シェイクスピアはこの手記を読んだと言われ、「テンペスト」の舞台設定や嵐の描写に影響を与えたと考えられます。具体的には、ストラチーが描写するバミューダ諸島の自然環境、嵐の激しさ、そして生き延びた人々の様子は、「テンペスト」の舞台設定や登場人物たちの境遇と共通点が見られます。

ジェームズ一世と魔術

「テンペスト」は、ジェームズ一世時代のイギリスで上演されました。ジェームズ一世は魔術や超自然現象に強い関心を抱いていたことで知られており、彼自身も「悪魔学」という魔術に関する著書を執筆しています。

こうした時代背景は、「テンペスト」に登場する魔法使いプロスペローの存在に影響を与えた可能性があります。劇中でプロスペローは、精霊エアリアルを操り、嵐を巻き起こしたり、登場人物たちの運命を操ったりします。これは、当時の観客にとって身近な存在であった魔術師のイメージと重なる部分があります。また、劇中で描かれる魔術や超自然現象に対する態度は、ジェームズ一世の考え方を反映しているという見方もあります。

植民地主義と新世界

「テンペスト」が書かれた17世紀初頭は、ヨーロッパ諸国がこぞって海外進出を図り、新たな植民地を獲得していた時代でした。劇中でプロスペローが支配する孤島は、新世界を象徴していると解釈されることがあります。

プロスペローは、魔法の力で島を支配し、先住民であるキャリバンを奴隷として扱っています。これは、ヨーロッパ人による新世界の植民地化と、先住民に対する支配を反映しているという見方があります。 また、プロスペローとキャリバンの対立は、文明と野蛮、支配と抵抗といったテーマを浮かび上がらせ、当時の植民地主義に対する複雑な視点を提示しているとも解釈できます。

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