## シェイクスピアのジョン王に関連する歴史上の事件
フランスとの関係悪化とノルマンディーの喪失
シェイクスピアの戯曲では、ジョン王の治世初期におけるフランスとの関係悪化が描かれています。 1189年に即位したリチャード1世（獅子心王）は、第3回十字 Crusade crusade に参加し、 莫大な資金を費やして Holy Roman Empire 神聖ローマ帝国皇帝ハインリッヒ6世の捕虜となり、その後、フランス王フィリップ2世と対立します。1199年にリチャード1世が死去しジョンが王位を継承すると、フィリップ2世は、ジョンの甥でブルターニュ公のアルテュールを支持し、ジョンに圧力をかけました。
アーサーの死と大陸領土の喪失
フィリップ2世は、ジョンの甥であるブルターニュ公アルテュールを支援し、イングランド王位継承権を主張させました。アルテュールは、ジョン王に捕らえられ、1203年に謎の死を遂げます。 この事件は、ジョンによる暗殺を疑われ、フランス国内での反感を買いました。 これにより、フランスとの戦いが再燃し、ジョンはノルマンディーなど、フランス内の広大な領土を失うことになります。
カンタベリー大司教の任命をめぐる対立
1205年、カンタベリー大司教の座をめぐってジョンとローマ教皇インノケンティウス3世が対立します。 教皇は、ジョンが推す候補ではなく、スティーブン・ラングトンを大司教に任命しようとしました。 ジョンは、これを拒否したため、1208年にイングランドは教皇によって聖務停止令を受けます。 この聖務停止令は、イングランド国民への宗教儀式の執行を禁止するものであり、国内に大きな混乱をもたらしました。
マグナ・カルタの制定
ジョン王の専制政治や失政、度重なる増税に対して、イングランドの貴族たちは反乱を起こします。 1215年、貴族たちは、ジョン王に、王権を制限し、貴族の権利を保障するマグナ・カルタ（大憲章）を認めさせます。 マグナ・カルタは、法の支配や適正手続きといった概念を確立し、後のイギリス憲法発展に大きな影響を与えたとされています。
シェイクスピアの戯曲「ジョン王」は、これらの歴史的事件を背景に、ジョン王の苦悩や葛藤、権力闘争などを描いています。 戯曲では、史実とは異なる部分もありますが、当時の政治状況や社会状況を理解する上で重要な手がかりを与えてくれます。