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シェイクスピアのシンベリンの発想

シェイクスピアのシンベリンの発想

登場人物の由来について

* **シンベリン:** 2世紀のブリテン王クノベリヌス(英語名:Cymbeline)をモデルにしている。
シェイクスピアは、Raphael Holinshedの年代記 “Chronicles of England, Scotland and Ireland” からこの王の物語を引用している。
ただし、劇中のシンベリン王の治世や、ローマとの関係などは史実とは大きく異なる。

ストーリーの構成について

* **複数のソースの融合:** シンベリンのストーリーは、Holinshedの年代記以外にも、様々な文献から要素を借用して構成されている。
例えば、ポステマスとイモジェンの夫婦間の不信と和解の筋書きは、ジョヴァンニ・ボッカッチョの “デカメロン” に収録されている物語(第二日第九話)に酷似している。

* **劇中劇の要素:** 劇中劇と言える、ローマ軍の侵攻とブリテンの抵抗の物語は、Geoffrey of Monmouthの “Historia Regum Britanniae” からの着想と見られる。

テーマとモチーフについて

* **夫婦間の信頼と不信:** ポステマスとイモジェンの関係は、劇の主要なテーマの一つである「信頼」を象徴している。
イノセントなイモジェンは、夫の邪推によって苦難を強いられるが、最終的には彼女の貞節が証明される。

* **アイデンティティの模索:** イモジェンは、男装して「フィデレ」と名乗り、旅をすることを余儀なくされる。
この過程で、彼女は自身のアイデンティティや、男女の役割について考察することになる。

* **赦しと和解:** シンベリンは、後半で娘のイモジェンと再会し、ローマとの和解も受け入れる。
これは、シェイクスピアの晩年の作品に共通する「赦し」と「和解」のテーマを反映していると考えられる。

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