シェイクスピアのコリオレイナスの関連著作
プルタルコスの「対比列伝」
Plutarch’s *Parallel Lives*
プルタルコスが1世紀後半から2世紀初頭にかけて著した「対比列伝」は、ギリシャとローマの著名人の伝記を対で記したもので、その中にはローマの将軍コリオレイナスの生涯も含まれています。シェイクスピアはこの作品を基に、「コリオレイナス」を執筆したと考えられています。プルタルコスの記述は、コリオレイナスが示す勇気、高潔さ、欠点、そして最終的な没落など、シェイクスピアの戯曲における登場人物の性格やプロットの展開に大きな影響を与えました。
リウィウスの「ローマ建国史」
Livy’s *Ab Urbe Condita*
共和政ローマ初期の歴史家であるリウィウスが紀元前1世紀に記した「ローマ建国史」にも、コリオレイナスに関する記述があります。リウィウスは、ローマの建国から自身の時代までの歴史を網羅的に描いた作品の中で、コリオレイナスを勇敢な将軍として描くと同時に、その傲慢さと民衆への軽蔑が彼の没落を招いたと述べています。シェイクスピアは、プルタルコスと同様に、リウィウスの作品からもインスピレーションを得て、「コリオレイナス」におけるローマ社会の政治的、社会的背景を構築したと考えられます。