## シェイクスピアの「リチャード二世」の思考の枠組み
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王権神授説への固執
リチャードは、自らの王としての地位は神から与えられた絶対的なものであると強く信じています。劇の冒頭から、彼は自らの権威に疑問を呈する者を厳しく罰し、自らの判断に絶対の自信を持っています。しかし、劇が進むにつれて、彼のこの信念は現実との矛盾に直面し、彼の精神的な苦悩を増大させる要因となります。
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自己中心的で現実逃避的な傾向
リチャードは、自身の感情や理想を優先し、周囲の現実を直視することを避ける傾向があります。彼は詩的な表現や空想の世界に逃避することで、厳しい現実から目を背けようとします。例えば、追放された彼がイングランドの土を愛おしむ場面や、鏡に映る自分の姿に悲嘆する場面などは、彼の自己中心的で現実逃避的な側面を象徴しています。
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受動的な性格と行動力
リチャードは、自身の境遇に対して嘆き悲しむことはあっても、積極的に状況を打開しようとする行動力は欠如しています。彼は、周囲の人間の策略によって翻弄され、自身の運命を自ら切り開くことができずにいます。