Skip to content Skip to footer

シェイクスピアの「アントニーとクレオパトラ」の思想的背景

シェイクスピアの「アントニーとクレオパトラ」の思想的背景

ローマの共和制と専制政治の対立

「アントニーとクレオパトラ」は、共和制ローマの衰退期と、それに取って代わろうとする専制政治の台頭を背景に描かれています。アントニーは、共和制の理想を体現する英雄的人物として描かれる一方、クレオパトラは、エキゾチックで官能的な東洋の女王として、ローマの伝統的な価値観に対する脅威として描かれています。劇中では、アントニーがクレオパトラに溺れることで、政治的な判断力を失い、ローマへの忠誠心を疑われる様子が描かれ、共和制の理念と個人的な情熱の葛藤が浮き彫りにされています。

義務と欲望の対立

劇の中心テーマの一つに、義務と欲望の対立があります。アントニーは、ローマの将軍として、国家への義務と、クレオパトラへの愛の間で葛藤します。彼の行動は、理性と感情、義務と欲望の間で揺れ動き、その結果、悲劇的な結末へと繋がっていきます。

名誉と愛

名誉と愛もまた、劇全体を貫く重要なテーマです。アントニーは、ローマの英雄として、名誉を重んじる人物として描かれています。しかし、クレオパトラへの愛は、彼の名誉を傷つけ、最終的には彼の破滅へと繋がります。劇中で描かれるアントニーとクレオパトラの愛は、情熱的で、抗いがたいものであると同時に、破滅をもたらす危険なものであるという両義的な側面を持っています。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5