## シェイエスの第三身分とは何かの発想
シェイエスの主張
エマニュエル・シェイエスは、1789年1月のパンフレット「第三身分とは何か」で、フランス社会における第三身分の重要性を強く主張しました。シェイエスは、当時のフランス社会を、特権を持つ第一身分（聖職者）と第二身分（貴族） 、そして特権を持たない第三身分という三つの身分に分けました。そして、人口の大多数を占め、社会の富を生み出しているにもかかわらず、政治的な権力をほとんど持たない第三身分の立場を、鋭く批判しました。
第三身分の定義
シェイエスは、第三身分を「何ものでもない」と定義しました。これは、第三身分が、当時のフランス社会において、特権的な身分とは異なり、政治的な権利や社会的な地位を与えられていなかったことを意味しています。しかし、シェイエスは、同時に、第三身分こそが「すべてをなす」存在であると主張しました。これは、第三身分が、社会の経済活動を支え、国民生活を維持する上で、不可欠な役割を果たしていることを意味しています。
国民主権の概念
シェイエスは、国民主権の考え方に基づき、国家の主権は、国民全体に由来すると主張しました。そして、国民の代表として構成される国民議会こそが、真の国家意思を体現する機関であるとしました。シェイエスは、特権身分による政治支配を否定し、第三身分を中心とした国民議会による政治改革を強く求めました。