## シェイエスの第三身分とは何かの機能
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国民国家形成における第三身分の役割
シェイエスの主張の核心は、**第三身分こそが国民そのものである**という点にあります。これは従来の身分制社会における特権身分中心の政治体制を根本から覆す、極めて革命的な思想でした。
シェイエスは、第一身分(僧侶)と第二身分(貴族)を、社会全体から見ればごく少数の特権的な集団に過ぎないと位置づけます。そして、圧倒的多数を占める第三身分こそが、国家に奉仕し、富を生み出している真の国民であると主張しました。
彼はパンフレットの中で、第三身分が担う機能として、具体的に以下の点を挙げています。
* **国家への奉仕**: 軍役や納税など、国家の運営に必要な義務を果たしているのは、主に第三身分である。
* **経済活動**: 農業、商業、製造業など、社会の富を生み出す活動は、ほぼすべて第三身分によって担われている。
* **文化・科学の発展**: 学問や芸術など、文化や科学の分野においても、第三身分からの貢献が目覚ましい。
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政治における第三身分の権利
シェイエスは、第三身分が国民そのものであるならば、政治においても当然、中心的な役割を担うべきだと主張しました。
当時のフランスでは、身分制議会において、各身分はそれぞれ一つの議決権を持っていました。これは、人口比率から考えても不公平な制度であり、第三身分の意見は常に無視されがちでした。
シェイエスは、国民主権の原則に基づき、**個人の自由と平等**を保障する政治体制の必要性を訴えました。そして、そのためには、第三身分が人口に応じた議席数を持つこと、そして、身分ではなく個人単位での投票が認められることが不可欠だと主張しました。
さらに、シェイエスは、第三身分が政治に参加する権利は、単なる参政権にとどまるものではないとしました。国民議会は、国民全体の意志を代表する機関として、憲法制定や立法などの重要な政治決定を行う権利と責任を負うべきだと主張しました。
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