## ザビエルの聖フランシスコ・ザビエル書簡集の表象
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書簡集が伝えるザビエル像
ザビエルの書簡集は、彼自身の言葉を通して、その内面、信仰、そして宣教活動の実態をありのままに伝えています。そこには、異文化との出会いに驚きながらも、キリスト教を広める使命に燃える一人の人間としての姿が鮮明に浮かび上がります。
書簡集の中で、ザビエルは、インドや日本の文化や風習について、詳細な観察に基づいた記述を残しています。彼の文章からは、未知の世界に対する好奇心と、同時にキリスト教の教えと異なる文化との間にある隔たりに対する葛藤が読み取れます。
また、ザビエルは、布教の困難さや孤独感、そして故郷への想いを率直に綴っています。彼の言葉からは、宣教師としての理想と現実の狭間で揺れ動く心情、そしてその苦難の中でも信仰を捨てずに前進しようとする強い意志が感じられます。
これらの書簡は、単なる宣教報告書ではなく、ザビエルという一人の人間の内面を深く掘り下げた貴重な資料と言えるでしょう。