サルトルの弁証法的理性批判の企画書
執筆の背景
サルトルは、現象学的な存在論を展開した『存在と無』において、人間の自由と責任を強調しました。しかし、この立場は、歴史や社会の現実を前にすると、人間の自由が制約されているように見えるという問題を抱えていました。サルトルは、この問題を克服するために、マルクスの唯物史観に注目し、人間の自由と歴史的必然性を両立させることを目指しました。
目的
本書の目的は、ヘーゲルとマルクスから受け継いだ弁証法の概念を用いながら、人間の主体性と歴史的唯物論を統合する新しい唯物論を提示することです。