サドのジュスティーヌの面白さ
サドのジュスティーヌのストーリー展開の面白さ
「ジュスティーヌ」は、高潔な生き方を貫こうとする少女ジュスティーヌが、様々な不幸に見舞われながらも、自身の信念を貫き通そうとする姿を描いた物語です。
物語は、両親を失い孤児となったジュスティーヌとジュリエット姉妹が、修道院を出た後、別々の道を歩むところから始まります。姉のジュリエットは悪徳の道に進んで裕福な暮らしを手に入れる一方、妹のジュスティーヌは、善良さゆえに悪人の策略にはまり、不幸のどん底に突き落とされます。
サドはこの作品で、当時の社会における悪徳の蔓延と、善意がいかに簡単に踏みにじられるかを描いています。ジュスティーヌは、行く先々で悪人たちに騙され、搾取され、暴力を振るわれます。しかし、どんなに苦しい目に遭っても、彼女は自身の信念を曲げようとはしません。
読者は、サドが仕掛ける過酷な運命のいたずらに翻弄されながらも、それでもなお希望を捨てず、善を信じようとするジュスティーヌの姿に、心を揺さぶられることでしょう。
サドのジュスティーヌの持つ哲学的な面白さ
「ジュスティーヌ」は単なる不幸を描いた物語ではなく、サド自身の哲学的な思想が色濃く反映された作品でもあります。作中で展開される善悪の対比や、人間の欲望と道徳の葛藤は、読者に深い思索を促します。
ジュスティーヌは、理不尽な世界で善行を積んでも報われないという現実を突きつけられながらも、それでもなお自身の信念を貫き通します。一方、悪徳の道を選んだ姉のジュリエットは、結果的に物質的な成功を収めます。
サドは、このような善悪の逆転現象を通して、当時の社会における道徳観や宗教観に疑問を投げかけています。彼は、善と悪、幸福と不幸の定義を問い直し、人間存在の本質に迫ろうとしました。
読者は、ジュスティーヌの苦難を通して、善とは何か、悪とは何か、そして人間にとっての真の幸福とは何かを自問自答することになるでしょう。
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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。