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ゴールディングの蝿の王を読んだ後に読むべき本

ゴールディングの蝿の王を読んだ後に読むべき本

文明と野蛮の対立:『闇の奥』

ジョゼフ・コンラッド作

『蝿の王』と同様に、『闇の奥』も、文明社会の薄いベールの下に潜む人間の心の暗部を探求した作品です。舞台は19世紀末の植民地時代のアフリカ、コンゴ川を遡り象牙の交易を行う貿易会社の隊長クルツに会うために、語り手のマーロウは危険な旅に出ます。クルツは、当初は教養ある理想主義者として描かれていますが、やがてジャングルの奥地で、文明社会の束縛から解放され、自身の内なる闇に屈していく姿が明らかになります。

文明社会から隔絶された環境が人間の心にどのような影響を与えるのか? 人間の内に潜む野蛮性とは? 『闇の奥』は、『蝿の王』と対をなす作品として、これらの問いについて深く考えさせられる作品です。コンラッドは、人間の道徳観や理性というものが、実は非常に脆いものであることを、容赦なく描き出します。

両作品とも、人間の心に潜む闇の部分を描き出すことで、読者に文明社会における人間の存在意義、そして、人間の持つ暴力性や残虐性の根源について、根本的な問いを投げかけています。

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