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ゴーゴリの外套を読んだ後に読むべき本

ゴーゴリの外套を読んだ後に読むべき本

ドストエフスキーの「罪と罰」

「外套」で描かれた、貧困、疎外、官僚主義、社会における個人の無力さといったテーマは、ドストエフスキーの作品にも色濃く反映されています。「罪と罰」は、貧困に追い詰められた元学生ラスコーリニコフが、金貸しの老婆を殺害するという犯罪に手を染め、その後、罪の意識と理性の間で苦悩する姿を描いた傑作です。

ラスコーリニコフの犯行の背景には、貧困や社会からの疎外感、そして自己の優秀さを証明したいという歪んだ欲望が複雑に絡み合っています。これは、「外套」のアカーキー・アカーキエヴィチが、新しい外套を手に入れたいというささやかな欲望すらも、社会の冷酷さによって打ち砕かれていく様と重なります。

また、両作品とも、当時のロシア社会の暗部を鋭くえぐり出している点で共通しています。「外套」では、人間味のない官僚主義や、弱者に対する社会の無関心さが浮き彫りにされます。「罪と罰」でも同様に、貧困層の悲惨な生活状況や、社会の不平等が描かれ、人間の心の闇に迫る重厚なテーマが展開されます。

「外套」を読み終えた後に「罪と罰」を読むことで、19世紀ロシア文学の巨匠たちが描いた、人間の存在の根源的な問い、そして社会に対する痛烈な批判を、より深く理解することができます。

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