Skip to content Skip to footer

コンラッドのロード・ジムの対称性

## コンラッドのロード・ジムの対称性

対称的な出来事

* **パトナ号事件とフランス砲艦事件:** ロード・ジムは物語冒頭で、パトナ号という巡洋艦で、巡礼者たちを乗せて航海中に、衝突事故を恐れて船員たちと共に船を放棄するという「罪」を犯します。その後、祖国イギリスでの裁判から逃れるように名前を変え、東南アジアの植民地を転々とすることになります。物語後半では、ジムは友人となったステインの依頼で、海賊行為から守るためにパタサンという村を訪れます。そこで、かつての同僚ブラウンと再会し、過去の罪と向き合うことを迫られます。ブラウンとの対峙は、ジムにとってパトナ号事件の再来であり、彼に過去の罪の責任を自覚させます。

対称的な人物関係

* **ジムとブリッグス:** ジムとブリッグスは共に、理想と現実の狭間で苦悩する若者です。ジムは勇敢で正義感の強い青年として描かれますが、パトナ号事件では恐怖から逃れられず、自らの理想を裏切ってしまいます。一方、ブリッグスは、物語冒頭でジムと同じ船に乗船していた若い船員であり、ジムの行動を非難します。しかし、皮肉にも彼自身も後に、恐怖から逃れられず、パタサンから逃亡しようとします。

対称的なモチーフ

* **海:** 海は、自由と冒険、そして同時に、危険と未知の象徴として、物語全体を通して繰り返し登場します。ジムは、海に自由と冒険を求めて航海に出ますが、同時に、海によってパトナ号事件という運命的な出来事に遭遇します。パタサンは陸地に囲まれた場所ですが、ジムにとっては海の恐怖と罪の意識から逃れられない場所となります。

対称的なテーマ

* **名誉と贖罪:** 物語は、ジムがパトナ号事件によって失った名誉を取り戻すために、贖罪の旅を続ける姿を描いています。ジムは、パタサンで自分の過去と向き合い、最終的に自らの命を犠牲にすることで、贖罪を果たそうとします。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5