## コンラッドのノストロモの主役
ノストロモ号の船長、アンソニー・パターソン
アンソニー・パターソンは、ノストロモ号の船長であり、物語の大部分において不在の存在として描かれます。彼は船員たちから尊敬されていましたが、物語が進むにつれて、その尊敬は薄れていきます。
パターソン船長は、ノストロモ号とその積荷である銀の安全よりも、自分の評判を気にする人物として描かれています。彼は、スルアレント港で革命が勃発した際、乗組員を危険にさらして港に留まることを選択します。
また、パターソン船長は、ノストロモ号がスルアレント港から脱出するために必要な決断を下すことができません。彼は、決断を先延ばしにし、責任を他人に押し付けようとします。
物語の終盤、パターソン船長は、ノストロモ号の運命をNostromoに託し、自身は救命ボートで逃げ出します。この行動は、彼の自己保身とリーダーシップの欠如を象徴しています。
「ノストロモ」、本名：ジョヴァンニ・バッティスタ・フィダンザ
ノストロモは、物語のタイトルにもなっている、物語のもう一人の重要な人物です。彼は、スルアレント港で働くイタリア系の船乗りであり、その勇敢さと能力によって「ノストロモ」（「我らが男」の意）の愛称で呼ばれています。
ノストロモは、自己中心的で虚栄心が強い人物ではありますが、一方で、勇敢で献身的、そして責任感が強いという側面も持ち合わせています。彼は、パターソン船長が逃げ出した後も、ノストロモ号とその積荷を守るために尽力します。
ノストロモは、物語の中で、革命、愛、裏切りといった様々な出来事に巻き込まれていきます。彼は、自分の能力と魅力を駆使して、困難な状況を乗り越えようとしますが、最終的には、自分の行動によって悲劇的な結末を迎えることになります。
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