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ケルゼンの純粋法学の関連著作

ケルゼンの純粋法学の関連著作

1. ルドルフ・フォン・イェーリング『法の精神』

19世紀後半のドイツを代表する法学者の一人であるイェーリングの主著。ケルゼンは、イェーリングが法を「目的のための手段」と捉え、法的論理を超えた法的目的の探求を重視した点を批判対象とした。純粋法学は、法の妥当性の根拠を法以外の要素に求めることを拒否し、法を「規範」の体系として純粋に捉え直そうとした点で、イェーリングの法思想とは対照的である。

2. ハンス・ケルゼン『純粋法学』

ケルゼン自身の主著であり、純粋法学の理論を体系的に展開した書。法をあらゆる道徳的、政治的、社会的な要素から切り離し、「規範」の体系として捉えることを主張する。ケルゼンは、法の妥当性は、上位の規範から段階的に導き出されるのであり、最終的には「Grundnorm(基本規範)」と呼ばれる仮想的規範に根拠付けられると説いた。

3. ヘーゲル『法哲学原理』

ドイツ観念論を代表する哲学者ヘーゲルの法哲学の主著。ケルゼンは、ヘーゲルの法哲学が、法を「理念」の展開として捉え、現実の法と理想の法を混同していると批判した。純粋法学は、法を「Sein(存在)」として捉え、「Sollen(当為)」と明確に区別することで、価値判断を排除した客観的な法の認識を目指した点で、ヘーゲルの法哲学とは対照的である。

4. カール・シュミット『政治神学』

20世紀前半のドイツの法学者・政治学者であるシュミットの主著。ケルゼンとシュミットは、ワイマール憲法下における激しい論争を繰り広げたことで知られている。シュミットは、ケルゼンの純粋法学が、現実の政治権力を無視した抽象的な理論であると批判し、法の根底には、主権者による「例外状態」の決定があると主張した。

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