ケルゼンの純粋法学の翻訳
「純粋法学」の翻訳
ハンス・ケルゼンの主著 “Reine Rechtslehre” は、一般的に「純粋法学」と訳されます。これは、原題の “Reine” を「純粋な」と訳し、”Rechtslehre” を「法学」と訳したものです。
翻訳の妥当性
“Reine” は、「純粋な」「混じりけのない」という意味を持つ形容詞です。ケルゼンはこの言葉を用いることで、自身の法学が、道徳や政治などの法以外の要素から独立した純粋なものであることを強調しました。
“Rechtslehre” は、「法学」「法理論」などと訳される複合語です。ケルゼンは、法の妥当性の根拠を法規範の体系的な構成に見出すことを目指しており、この “Rechtslehre” には、そのような法理論という意味合いが含まれています。
これらのことから、「純粋法学」という訳語は、原題が持つ「法以外の要素を排除した純粋な法理論」という意味をよく表していると言えるでしょう。