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ケルゼンの純粋法学の対極

ケルゼンの純粋法学の対極

法の概念

ケルゼンが「Sein」と「Sollen」、「事実」と「規範」を峻別し、法を規範の体系として純粋に捉えようとしたのに対し、法を歴史的・社会的な文脈から切り離して捉えることはできないとするのが、法の歴史学派や社会学派の立場です。

### 歴史学派

歴史学派は、法は国民の精神や歴史的発展の結果として形成されるものであり、特定の時代や社会に固有のものであると主張しました。代表的な学者であるサヴィニーは、法典化に反対し、民族の精神に由来する「民族の法」を重視しました。これは、普遍的な法体系を構築しようとするケルゼンの純粋法学とは対照的な見解です。

### 社会学派

社会学派は、法を社会現象として捉え、社会のニーズや変化に応じて法も変化していくものと見なしました。代表的な学者であるエールリヒは、「生ける法」という概念を提唱し、社会の中で実際に機能している法を重視しました。これは、法を規範の体系として捉え、その妥当性を論理的に説明しようとするケルゼンの純粋法学とは異なる視点です。

これらの学派は、法を実定法を超えて、歴史や社会との関連の中で捉えようとする点で共通しており、ケルゼンの純粋法学の対極に位置するものと言えるでしょう。

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