グロチウスの自由海論の表象
グロチウスの「自由海論」とその主張
グロチウス（1583-1645）は、オランダの法学者・思想家であり、「国際法の父」とも呼ばれます。彼が1609年に発表した『自由海論』(Mare Liberum) は、海洋の自由という概念を体系的に論じた画期的な著作として知られています。
ポルトガルによる海洋支配への反論
当時、ポルトガルはローマ教皇の勅書を根拠に、アジア・アフリカへの航路を独占し、巨額の利益を得ていました。グロチウスは、このポルトガルの主張に真っ向から反論し、海洋はすべての人間にとって自由であると主張しました。
「自由海」の論拠
グロチウスは、海洋は領有不可能な共有財産であると論じました。彼は、自然法に基づき、海洋は誰のものでもなく、すべての国家が平等に利用できる空間であるとしました。
国際法の発展への貢献
グロチウスの「自由海論」は、その後の国際法の発展に大きな影響を与えました。彼の主張は、17世紀以降、徐々に国際社会に受け入れられていき、海洋の自由は国際法の重要な原則として確立されていきました。