## グロチウスの自由海論の構成
第一章 序論
本書のテーマと目的を述べています。
ポルトガル人がスペイン人以外の東洋との通商を妨害することを非難し、
全ての国に開かれた海の航行と通商の自由を主張します。
第二章 戦争と法について
戦争の原因、戦争の主体となりうるもの、
私戦と公戦の区別、
戦時国際法の根拠などについて論じています。
第三章 所有権の共通概念について
所有権の対象となりうるものと、
所有権の帰属について論じています。
第四章 海の性質について
海は、その性質上、領有することができないことを論証しています。
海は広大すぎて占有することができず、
また、常に流動しているため、
特定の国家の支配下に置くことができないと主張します。
第五章 海洋の領有権についての諸学説について
海を領有できるとする見解を批判的に検討しています。
第六章 海洋の領有権に関するローマ人の法と実践
ローマ法における海洋の扱いを分析し、
ローマ人も海を領有できないものと考えていたと主張します。
第七章 ポルトガル人が主張する権利の誤りについて
ポルトガル人が、ローマ教皇の寄進状を根拠に、
東洋との貿易を独占する権利を主張していることを批判しています。
第十二章 結論
これまでの議論をまとめ、
改めて海の自由と、
全ての国家が海洋を利用する権利を主張します。